【ミステリー】花を贈る
出題者:神楽◆[96c9b6d]
「私、もう長くない」
病院の窓から射す木漏れ日に目を細め、野間翠(のま みどり)は弱々しく、恋人の瀬田貴志に伝える。
翠が誤ってヒ素を体内に取り入れてしまい病院に運ばれてから1ヶ月経った。
元々体の弱い翠は、一命を取り留めたものの、衰弱が激しく長く生きられないのは事実なようだ。
「ばっ、馬鹿言うな!翠は俺が守る。言うことだって何でも聞いてやる。だから、、、」
「ホントに?…なら、私が死んだら…古賀君にこれ渡して?」
「…だから、死ぬとか馬鹿言うなと……」
手に渡された物は、水を張ったコップに浮かべた朝顔だった。
「古賀に?何でこんなもの」
古賀隆一。翠と貴志の通う大学のクラスメートだった。
貴志とはよく話す仲だったが、翠と彼が一緒に居たところは見たことがない。翠が何故彼に…?それとも、自分が翠を知らないだけなのか…?
「いいから!あと、最後に聞いて……あなたは、私の最後の恋人。最愛の人だった。成績が悪かったあなたは私の背中を追いかけて、同じ高校に入ってくれた。私の背中を追いかけて同じ大学に入ってくれた」
「…あぁ、そうだな。俺だってお前が最後の恋人だ。だから…」
「あなたには何もあげられない、けど、…………」
「翠?おい、みどり!!!」
その後の医師の懸命な救護も虚しく、翠の命は散った。
彼女の細い手には、白梅の柄のハンカチがキツく握られていた。
翠がいなくなって一週間、貴志は翠の親友の湯浅優子と一緒に喫茶店にいた。
「急に呼び出してごめんなさい。私、翠が死んじゃう一日前、実はお見舞いに行ったの」
「…ふぅん、それで?」
この一週間、二人はまるで生きた人間の表情が出来ない位に精気が抜けていた。
「…『祐二君にこれ渡して』って。桜の花びらを押し花にした栞(しおり)を渡された。…祐二君って、クラスメートの門倉君のことよね?門倉君、本なんか読まないのに。」
「あぁ、そもそも『祐二君』なんて呼ぶ仲でもなかったと思うよ。」
生前から少し変わった女の子だとは思っていたが、そこまでだったとは…と、貴志は亡き恋人を脳裏に浮かべる。
「でね、翠は主治医の人に、これまた何故かコスモスの造花をあげようとしてた。でも、その人は忙しいからって断るとあっさり、偶々通りかかった別のお医者さんに同じものをあげてた。……で、『今のこと、貴志君に伝えて』…って、もうわけがわからないわよね」
「あぁ、そう。…翠は古賀に朝顔をプレゼントしようともしてたしな。古賀に朝顔、祐二に栞、お医者さんに造花……全くわけがわからない」
「翠は花が好きで、よく花柄のワンピース着たり、ハンカチ買ったりしてたけど」
貴志は翠の最期の言葉、そして最期の姿を思い出す。
「………ゆ、優子…!!!!」
貴志は真っ青になり立ち上がった。
一一一何て事だ、、翠は俺に…死ぬ前にメッセージを残していた。
翠は何故今までこのことをダマっていたのだ。もっと早く気づけば………
問題
メッセージの内容をひらがなで10文字で
※ 問題中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
解答する:
問題作成日:2008-08-09
解答公開日:2008-08-09
最終更新日:2008-11-09 01:04:10(更新回数:5)
更新内容:
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2008/11/09 (Sun) 00:59
正解文を訂正しました。(解答公開まで誤字に気づきませんでした。気づいていた方、スミマセン!)
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2008/08/19 (Tue) 18:45
ヒントを追加しました。
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2008/08/10 (Sun) 22:03
問題文と正解文の改行を増やしました。
正解文の台詞を少し直しました。(語尾の訂正)
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2008/08/09 (Sat) 23:20
問題文の改行を増やしました。
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2008/08/09 (Sat) 23:16
問題文の改行を増やしました。

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正解率:7%
正解回数:632
解答回数:8211
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